懐かしのマイナー馬たち

懐かしの競走馬たち

あまり取り上げられることのない思い出の競走馬をきままに語ります。

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マスクトヒーロー

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プロフィール

マスクトヒーロー

2008年4月18日 牡馬

父  ハーツクライ 

母  ビハインドザマスク

母父 ホワイトマズル

厩舎 林和弘(北)→新開幸一(美)

13戦7勝

主な勝鞍 師走S(OP)(中山ダ1800)、北総S(1600万下)(中山ダ1800)

 

競走生活

・北海道

3歳:2戦2勝 「がんばれ!ホッカイドウ競馬」賞、C4

JRA

3歳:2戦1勝 500万下

4歳:3戦3勝 500万下、多摩川特別(1000万下)、北総S(1600万下)

5歳:2戦0勝

6歳:3戦1勝 師走S(OP)

7歳:1戦0勝

 

体質が弱く中央でデビューすることができず、北海道に移籍しました。デビューも3歳の9月と遅れてしまいましたが、2着に2秒2差をつけて圧勝します。2戦目も0秒7差で快勝します。

その後、中央に移籍すると500万下をここも0秒5差で快勝します。続く1000万下ではスタートで出遅れてしまい、初の敗戦となり、骨折もしてしまいます。

9か月後に復帰すると500万下、多摩川特別(1000万下)、北総S(1600万下)と3連勝で一気にオープン入りします。

半年開けた大沼S(OP)ではいつもの先行力がなく大敗します。さらに5か月開けた霜月S(OP)でも同様の競馬で4着となります。

またさらに3か月開けたポルックスS(OP)ではここまで4戦4勝の横山典弘騎手に手が戻り、先行して2着となります。

9か月開けたブラジルC(OP)では先行したものの休み明けか距離が長かったのか7着となります。続く師走S(OP)では得意の中山ダ1800で横山典弘騎手に戻り、久々の勝利を挙げました。

重賞初挑戦となったマーチS(G3)では1番人気に支持され、勝ち馬とは同タイムの3着となり、7歳とは言え力のあるところを見せましたが、4度目の骨折が判明し、残念ながら引退となりました。

 

血統構成

ハーツクライはダービー2着など早くから素質を見せていましたが、古馬になってからの宝塚記念ジャパンカップでも2着と追い込んでは届かずというレースぶりでした。それが有馬記念ではルメール騎手を背に珍しく先行すると無敗の3冠馬ディープインパクトに初黒星を付け、G1初制覇を果たします。続くドバイシーマクラシックは逃げ切り、キングジョージでも一瞬先頭に立つ惜しい3着と一気に素質が開花します。その後、喉なりの症状が出て、ジャパンCに出走後に引退となりました。種牡馬入り後はジャスタウェイリスグラシューワンアンドオンリーなど多くの活躍馬を輩出しています。

ビハインドザマスクは、マスクトヒーロー同様にデビューが旧4歳夏と遅れるも1年後にはオープンを勝つなど常に上位の上がりを記録する末脚で高い資質を見せていました。重賞初挑戦となったセントウルS(G3)を4連勝で制覇するもG1の厚い壁には跳ね返されてしまいます。その後はスワンS(G2)、京都牝馬S(G3)を制覇しています。繁殖入り後は短距離重賞で活躍したオメガヴェンデッタなどを輩出しています。

母の父ホワイトマズルダンシングブレーヴのヨーロッパ時代の代表産駒の1頭です。イタリアダービーやドーヴィル大賞に勝ち、凱旋門賞キングジョージで2着しています。日本での種牡馬入り後は天皇賞イングランディーレ菊花賞アサクサキングススマイルトゥモローシャドウゲイトニホンピロアワーズなど中長距離のG1馬をはじめ、ビハインドザマスクシルポートなどの短距離・マイル馬など幅広い距離で活躍する馬を出しています。また大逃げのイングランディーレシルポート、追い込みのビハインドザマスクなど個性派が多いのも特徴かと思います。

 

私の注目ポイント

なぜ私がマスクトヒーローを取り上げたかをご紹介します。

1.ハーツクライ産駒のダート馬

アドレスにheartscryと入っているように一番好きな馬であるハーツクライは、現在ではダートに強い馬もポツポツと輩出していますが、この頃は芝専門とも言えるぐらい芝に良績が偏っていました。ヌーヴォレコルトワンアンドオンリージャスタウェイと東京のG1を3週連続で勝ったのもこの頃です。

そのような中、初めてダートで1600万下を勝ち、オープンまで上がったのが、この馬です。それまでは、1000万下を勝ったドラゴンヴォイスがいる以外は未勝利、500万下での勝ち星でした。

私もハーツクライ産駒はダートは全く走らないと思いつつあったところでしたので、ダートで快進撃を続けるマスクトヒーローには注目し、ハーツクライ産駒の幅を広げる活躍に期待していました。

この活躍に刺激を受けたのかはわかりませんが、マスクトヒーローが1600万下を勝った2012年までの3年でダートでは26勝だったのに、2013年は24勝、2014年は48勝と勝ち星が伸びています。併せて出走回数も増加しています。

ダートの大物が出るには至っていない現状ですが、ストロングサウザー佐賀記念マーキュリーCを制するなどダートも走れるという姿を見せてくれたマスクトヒーローには、個人的には非常にうれしかった記憶があります。

 

2.横山典弘騎手とのコンビ

中央では、たまたまの巡りあわせなのかもしれませんが、横山典弘騎手とのコンビでは7戦5勝、2着1回、3着1回とすべて馬券に絡みましたが、他の騎手では4戦ですべて4着以下という結果でした。

常に脚元の不安が付きまとった状態でレースをしていたこともあり、馬の行く気に任せる横山騎手と合っていたのかもしれません。

 

3.未完の大器

骨折など脚元の不安が多く、7歳まで走ったもののわずかに13戦しかしていません。負けたレースも休み明けやその後に骨折が判明するなど万全ではない中で7勝とオープンまで勝ち上がりました。

有馬記念を勝ったハーツクライを父に、スワンSなどを勝ったビハインドザマスクを母に持つということで芝での活躍が期待され、おそらくそれだけの資質はあったのではないかとも個人的には思うのですが、脚元の不安からダートのみを走ったものの素質の高さを見せつけてくれました。

万全な状態で順調にレースを使えていたら、どれだけ強い馬になっていたのか、芝での走りはどうだったのか妄想は広がるばかりです。

弟に芝短距離の重賞戦線で活躍したオメガヴェンデッタ、近親にヴィクトリアマイルコイウタベールドインパクトアグネスアークなどがいる血統背景からも芝でも強かったのではないかとも思ったりはします。

たらればにはなってしまいますが、未完の大器という言葉にふさわしい馬のような気がいたします。