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懐かしの競走馬たち

あまり取り上げられることのない思い出の競走馬をきままに語ります。

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キヨヒダカを超えた馬~プレミアムサンダー

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プロフィール

プレミアムサンダー

1994年3月13日 牡馬

父  Easy Goer

母  Seattle Dawn

母父 Grey Dawn

厩舎 大沢真(栗)

8戦4勝

主な勝鞍 トパーズS(OP)(京都ダ1800)、京都4歳特別(G3)(京都芝2000)2着

 

競走生活

JRA

2歳:3戦1勝 新馬

3歳:3戦2勝 トパーズS(OP)、君子蘭賞(500万下)、京都4歳特別(G3)2着

4歳:2戦1勝 ムーンライトH(1600万下)

 

※年齢は当時は旧年齢ですが、現在の表記に合わせています。

2歳秋にダート1400でデビューし、圧倒的1番人気に推されるも逃げ馬を捕らえきれずに2着に惜敗します。

折り返しとなる2戦目の新馬戦は芝1600でしたが、きっちりと逃げ馬を捕らえ、初勝利を飾ります。3戦目のエリカ賞も圧倒的1番人気に推されますが、生涯唯一の3着以下となってしまいました。

4か月休養して君子蘭賞に向かい、のちの菊花賞マチカネフクキタルを一気に差し切りました。

続いて京都4歳特別に挑戦します。武豊騎手は、前走で若草Sを自身の手綱で勝ったシルクジャスティスではなく、本馬に騎乗しましたが、レースは捲るように上がってきたシルクジャスティスに交わされ、2着に惜敗します。それでも3着馬とは7馬身もの差がついており、能力の高さを示します。

6か月休養し、復帰戦に選んだのはデビュー以来となるダート戦のトパーズSでした。このレースではサンエムキングの作った早いペースを最後方で追走し、直線だけでまとめてオースミジェットなど全馬を交わして日本レコードを樹立して勝利します。その時の上がり3ハロンは34秒7、1ハロンは11秒7と芝並みの切れ味を披露しました。

再び休養に入り、降級となります。復帰初戦のやまなみSはナナヨーウォリアーと捕らえられず、2着惜敗しますが、2戦目のムーンライトHは先行馬を差し切り約10か月ぶりの勝利を挙げますが、このレースが最後となってしまいました。

 

血統構成

Easy GoerはともにG1馬のAlydar、Relaxingを両親に持つ良血で現役時代はサンデーサイレンスとライバル関係にありました。ケンタッキーダービープリークネスSではサンデーサイレンスに敗れてしまいますが、ベルモントSでは勝利を収めました。合わせて9つものG1を制しています。種牡馬としてはトラヴァーズSを制したWill's Way、CCAオークスを制したMy Flagなどを輩出しています。

母Seattle Dawnはアメリカで走り、デラウェアH、スノーグースHの重賞を含む7勝を挙げています。繁殖入り後はゴールデンロッドSを制したゴールドサンライズなどを輩出しています。

母の父Greay Dawnは仏英米で走り、グランクリテリウム、モルニー賞、サラマンドル賞を制します。特にグランクリテリウムでは、名馬シーバードに生涯唯一の黒星を付けています。種牡馬入り後はエイコーンS、ケンタッキーオークスを勝ったHeavenly Cause、CCAオークスを勝ったChristmas Pastなど25頭のステークスウィナーを輩出し、1990年には北米リーディングブルードメアサイアーにも輝いています。

 

私の注目ポイント

なぜ私がプレミアムサンダーを取り上げたかをご紹介します。

1.キヨヒダカを超える日本レコード

競馬ファンであれば誰でも知っているであろう中山ダート1800のレコードホルダーのキヨヒダカ。この馬の持つ、1分48秒5という記録は40年近くも前の記録になりますが、馬場が変わっていることもあり、中山ではよほどのことがないと更新されることはないのではないかと言われています。

同時に1分48秒5は長らく日本レコードでもありました。私自身ダート1800を1分50秒を切る馬をほぼほぼ見かけず、タケシバオーのダート1700のレコード並みに更新されないものと思い込んでおりました。

すると本馬が最後方一気で軽々と日本レコードをマークしてしまい、愕然とした記憶があります。春にシルクジャスティスと接戦を演じていた馬であり、納得のいく部分もあるのですが、それにしても速いタイムであの衝撃はいまだに忘れられません。

ちなみにキヨヒダカの父ホープフリーオンは本馬の父父であるAlydarの全兄にあたり、何か縁を感じる部分ではあります。

無事ならばどれくらいダートで強かったのか見てみたかったという気はします。

 

2.シルクジャスティスとの京都4歳特別

ダートで日本レコードを作った同馬ですが、3歳の春までは主に芝で実績を残していました。

京都4歳特別では、前走若草Sを快勝し、この年当たり年であったブライアンズタイム産駒のシルクジャスティスが如何に勝つのかという感じで見ておりました。なぜ前走シルクジャスティスに乗っていた武豊騎手が本馬に乗っているのか、やや疑問に感じながら。

レースでは本馬が先行し、シルクジャスティスは後方からレースを進め、3コーナーから捲り気味に上がっていきます。これは楽勝かなと思ったところ、本馬も必死の抵抗を見せ、マッチレースになりました。最後はシルクジャスティスがねじ伏せた形にはなりましたが、本馬も非常に強いレースを見せてくれました。

この後、シルクジャスティス日本ダービーで2着、有馬記念を制したことを考えても本馬も芝でそれだけの強さを秘めていたというのではないかと思います。

芝、ダートともチャンピオンクラスになってもおかしくなかったという気はします。

 

3.Easy Goer産駒

Easy Goerと言えば現役時代にサンデーサイレンスとのライバル関係が有名です。良血対雑草、追い込み対先行、栗毛対青鹿毛など正反対の関係性でした。

Easy Goerアメリカで種牡馬入りし、サンデーサイレンスは日本で種牡馬入りとなりました。サンデーサイレンスは初年度から活躍馬を多数輩出し、大種牡馬の道を進み始めていました。

そのような時に登場したのがEasy Goer産駒であるプレミアムサンダーでした。君子蘭賞でマチカネフクキタルに勝利、京都4歳特別でのシルクジャスティスに食い下がったレースぶり、トパーズSでの日本レコードと高い資質を見せてくれました。

日本でもEasy Goerサンデーサイレンスが見られるのかと期待したのですが、本馬はその後順調に使えず、また父のEasy Goerも早世してしまい、あまり見ることができなかったのは残念でした。