シルポートの母~スペランツァ
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プロフィール
1998年4月17日 牝馬
母 フジャブ
母父 Woodman
厩舎 山内研二(栗)
10戦2勝
主な勝鞍 500万下(札幌芝1200)
競走生活
・JRA
2歳:5戦2勝 新馬、500万下
3歳:1戦0勝
4歳:4戦0勝
※年齢は当時は旧年齢ですが、現在の表記に合わせています。
函館開幕の新馬戦に登場し、藤田伸二騎手を背に圧倒的1番人気に推されるものの 前に行った馬を捉えきれずに3着と敗れます。
折り返しの新馬戦では、きっちりと逃げた馬を捉え初勝利を飾ります。
3戦目にはクローバー賞に挑み、前評判の高かった後の重賞馬ウインラディウスには敗れてしまいますが、2着を確保します。
続く500万下は1倍台の圧倒的人気に応え勝利しますが、その後のすずらん賞はオイスターチケットに逃げ切られ2着となりました。
この後、態勢が整わず5か月休養となり、年明けのクイーンCで復帰しますが、11着と敗れ、再び1年超の休養に入ります。
1000万下で2戦、降級して札幌での500万下で2戦しますが、すべて二桁着順となり、引退となりました。
血統構成
父サンデーサイレンスは現役時代はケンタッキーダービー、プリークネスSの2冠を制し、BCクラシックも制しています。引退後は日本で種牡馬入りし、日本の血統図を塗り替えてしまうほどの大種牡馬となります。3冠馬のディープインパクトをはじめ、多数のG1馬、重賞勝ち馬を輩出し、勝利数は現時点で歴代1位となっています。
母フジャブはイギリスで走り1勝を挙げ、繁殖牝馬としてCaerleonの子を受胎した状態で日本に輸入されます(その子はサウンドオブハート、カフェブリリアントの重賞馬を輩出しました)。本馬の他には4勝を挙げたテンカタイヘイなどを輩出しています。
母の父Woodmanは現役時代は5戦3勝でG3を2勝挙げています。引退後は初年度より米2冠のハンセル、仏2000ギニーのヘクタープロテクターと大物を輩出します。その後もプリークネスSのティンバーカントリー、英1000ギニーのボスラシャム、エクリプスSのホークウィングを輩出し、日本でもスプリンターズSを勝ったヒシアケボノを輩出しています。
私の注目ポイント
なぜ私がスペランツァを取り上げたかをご紹介します。
1.2歳の北海道戦で輝いた山内厩舎
先日引退となった山内調教師の管理馬と言えば2歳の新馬戦開幕からガンガンと使っていくことで有名であり、ご多分に漏れず、本馬も開幕週から使われています。
北海道の2歳戦といえば、必ずと言っていいほどトレードマークのピンクのメンコをした馬が出ていたのではと思うほどです。
今でこそ2歳戦開幕から有力馬でも使っていくことがトレンドになっていますが、当時は早熟馬というレッテルを貼られることが多かったように記憶しています。
素人の見解にはなりますが、仕上がりや調子を維持して続けてレースを使える技術があることで馬の能力も引き上げられ、マイナーな血統の馬であっても活躍する馬が多かった印象です。それだけの技術があればこそ872勝という勝ち星を積み重ねられたのかなと思っています。
本馬は喉なりの影響もあり、2歳の北海道戦がハイライトという形になってしまいました。ただ、山内厩舎では長く活躍する馬もおり、本馬も順調であれば単なる早熟ではないと証明できたのではとも思っています。
2.PO馬としての思い入れ
以前、仲間内でPOGをやっておりました。競馬を楽しむというのが趣旨であったため、年間20頭持つというルールでやっていたのですが、正直私はあまり見る目がなく、数年間だったとはいえ、シーズン内のG1勝利は皆無でした。シーズン後にG1を勝った馬はいるのですが…
その2年目に選択したのが本馬でした。1位か2位で選択したように記憶しています。理由としては2歳戦から強い山内厩舎、気鋭の育成牧場ということだったように思います。
実際に2歳戦でデビューし、藤田騎手もかなりの手ごたえを口にしていたところからも今年は行けるのではないかと思ったものです。その後、喉なりの影響もあり、北海道戦での輝きが見られなくなってしまったのは、非常に残念に思いました。
無事であれば重賞でも活躍できたのではと思っておりましたし、今でもPO馬として思い出す馬の1頭です。
3.大逃げのシルポートを産んだ潜在能力
POGをやっていると選んだ馬が走ることは嬉しいことですが、その子や孫世代が活躍するというのも嬉しいものです。重賞戦線の馬柱に元PO馬の名前を見つけると、正直まったく関係はないのですが、非常に誇らしい気分になります。
当初、シルポートについては、ガンガン逃げる馬がいるなという程度の認識ではありましたが、その母が本馬であることを知った以降は思い入れが強くなり、外連味なく逃げる姿に注目して見ていました。
ホワイトマズルから引き継いだ部分も大きいとは思いますが、テンのスピードや重賞3勝した実績からも本馬も高い潜在能力を持っていたのではないかと思わされます。