幻の最強馬~シルバーステート
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プロフィール
シルバーステート
2013年5月2日 牡馬
母 シルヴァースカヤ
母父 Silver Hawk
厩舎 藤原英昭(栗)
5戦4勝
主な勝鞍 垂水S(1600万下)
競走生活
・JRA
2歳:3戦2勝 紫菊賞(500万下)、未勝利
4歳:2戦2勝 垂水S(1600万下)、オーストラリアT(1000万下)
2歳夏の中京でデビューし、1番人気に推されます。2番手から抜け出しますが、のちにヴィクトリアマイル(G1)を勝つアドマイヤリードに差され2着となります。中1週の未勝利戦は持ったままで楽勝し、タイムも同日の中京2歳S(OP)よりも1.3秒早いものでした。秋の紫菊賞(500万下)は1.1倍の圧倒的人気に推されると好位追走から抜け出し上がり3ハロン32.7秒という驚異的なタイムで快勝します。
3歳になり共同通信杯(G3)に向かう予定でしたが、左前脚屈腱炎を発症し長期休養に入ります。
4歳5月に復帰するとオーストラリアT(1000万下)をスピードの違いから初の逃げを打ち、持ったまま快勝。このレースも33.3秒と逃げたにも関わらず最速を記録します。続く垂水S(1600万下)も逃げ、最後は押さえていたもののコースレコードタイの1.44.5で勝利します。その後、秋の毎日王冠(G2)を目指して調整していたものの右前脚屈腱炎を発症し、引退となりました。
血統構成
父ディープインパクトは史上2頭目の無敗での三冠馬であり、古馬でも天皇賞春、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念を制した名馬です。種牡馬入り後も三冠馬コントレイル、三冠牝馬ジェンティルドンナ、日本ダービーのキズナ、マカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズ、シャフリヤールなど数々のG1馬、重賞馬を輩出し、2012年から11年連続(2019年末時点)でリーディングサイアーに輝いています。
母シルヴァースカヤはアメリカ合衆国で産まれ、フランスで競走生活を送りました。クラシックディスタンスのG3を2勝するなど競走馬としても活躍しました。繁殖入り後は本場の他に豪G1ザメトロポリタンを勝ったSevilleを産んでいます。
母の父SilverHawkはアメリカ合衆国で産まれ、イギリスで競走生活を送りました。G3クレイヴァンSを勝利し、イギリスダービー3着、アイルランドダービー2着となっています。種牡馬入り後はグランプリ3連覇のグラスワンダー、イギリスダービーのBenny the Dipなど中長距離のレースで活躍する産駒を多数輩出しました。
私の注目ポイント
なぜ私がシルバーステートを取り上げたかをご紹介します。
1.福永騎手が惚れ込んだ能力
クラシック三冠を制したコントレイルにも騎乗した福永騎手ですが、「とにかく規格外のエンジンを持っていた馬でした。排気量の大きさでいうと、今まで乗った馬のなかで間違いなく一番で、その評価はコントレイルと出会った今でも変わりません。」というくらい能力の高さを絶賛しています。
関係者が無事なら間違いなくG1を勝っていたはずというくらい能力は評価され、幻の最強馬という人もいるくらいです。
私が初めて見たのは4歳時でしたが、あまりスピード感を感じないにもかかわらず、上がり時計や勝ち時計が速いのには驚いた記憶があります。もっと上のクラスで走っていたらどのようなレースを見せてくれるのかと期待させられました。
2.種牡馬で発揮した高い資質
競走馬時代の高い資質から馬産地でも人気は高く初年度から191頭の種牡馬を集めました。産駒は2021年にデビューし、メリトクラシーが福永騎手を鞍上に新馬勝ちして産駒の初勝利を挙げ、秋にはウォーターナビレラがファンタジーS(G3)を勝利し、ファーストシーズンサイアーランキングではドレフォンに次ぐ2位に入ります。
ウォーターナビレラはその後の阪神JF(G1)3着、桜花賞(G1)2着と好走し、高い資質を伝えています。初年度産駒では他にもロンが野路菊S(OP)、セイウンハーデスがプリンシパルS(OP)を制し、コムストックロードやリカンカブールなども重賞で好走しています。
2年目産駒からはニュージーランドT(G2)を制したエエヤン、若葉S(OP)のショウナンバシットを出し、これからが期待されています。
産駒も登録された馬のほとんどが出走しており、心配された健康面も心配もなさそうに見えます。
3.スピードの持続力
福永騎手が規格外のエンジンというほど、次元の違うスピードでさっと先手を取ってしまい、終盤も最速かそれに近いタイムで駆け抜けてしまうという持続力が魅力だと思います。
ディープインパクト産駒は瞬発力、キレが優れている印象があり、本馬は少し異質な印象があります。これは母系のRoberto系のSilver HawkやNijinsky系のNiniskiから受け継いだスタミナがうまく融合して持続力として表れているのかもしれません。
まだ母数が少なく、これから傾向は変わるかとも思いますが、種牡馬として小回りや中山が得意なのも持続力がある特徴を表しているのかなと感じます。