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あまり取り上げられることのない思い出の競走馬をきままに語ります。

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オルフェーヴル世代の2番手~ウインバリアシオン

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プロフィール

ウインバリアシオン

2008年4月10日 牡馬

父  ハーツクライ

母  スーパーバレリーナ

母父 Storm Bird

厩舎 松永昌博(栗)

23戦4勝

主な勝鞍 日経賞(G2)、青葉賞(G2)、東京優駿(G1)2着、菊花賞(G1)2着、天皇賞(春)(G1)2着、有馬記念(G1)2着

 

競走生活

JRA

2歳:3戦2勝 野路菊S(OP)、新馬

4歳:7戦1勝 青葉賞(G2)、東京優駿(G1)2着、菊花賞(G1)2着、神戸新聞杯(G2)2着

5歳:4戦0勝 天皇賞(春)(G1)3着、日経賞(G2)2着

6歳:2戦0勝 有馬記念(G1)2着

7歳:5戦1勝 日経賞(G2)、天皇賞(春)(G1)2着

8歳:2戦0勝 日経賞(G2)2着

 

2歳夏の小倉芝1800で鞍上に福永騎手を迎えてデビューし、1万人気に応え快勝します。続く野路菊S(OP)では同父のメイショウナルトを抑え、2連勝を飾ります。3戦目のラジオNIKKEI杯(G3)は先行策から伸びきれず、0.1秒差の4着となります。

3歳初戦のきさらぎ賞(G3)では後にG1を勝利するトーセンラーオルフェーヴル(J.G1を勝つマーベラスカイザーも出走しています)を抑えて1番人気となりますが、前走と同じように伸びきれずトーセンラーの4着となります。続く弥生賞(G2)も接戦ながら7着となり、東京優駿(G1)を目標に切り替えます。鞍上に安藤勝己騎手を迎えて青葉賞(G2)に出走し、後方一気で初重賞制覇となります。これは父ハーツクライにとっても初重賞となりました。

そして、東京優駿(G1)では青葉賞を勝ったにもかかわらず10番人気と低評価でしたが、後方から一度は先頭に立つ走りでオルフェーヴルを苦しめるものの2着に敗れます。ただ、3着のベルシャザールには7馬身の着差を付け、力のある所を見せつけます。

秋は神戸新聞杯(G2)から始動し、超スローペースで4コーナーではオルフェーヴルに並びますが、突き放され2着。菊花賞(G1)は末脚に掛け、上がり最速を記録しますが、三度目のオルフェーヴルの2着となりました。続くジャパンカップ(G1)は後方待機から3コーナーで2番手につけるレースをするもブエナビスタの5着となります。

4歳は京都記念(G2)から始動しますが、直線で伸びを欠き6着。日経賞(G2)は大逃げの江田照男騎手鞍上のネコパンチを捉えることができず2着となり、天皇賞春(G1)でも大逃げのビートブラックを捉えることができず3着となります。宝塚記念(G1)で4着に敗れた後、左前浅屈腱炎を発症し、長期休養となります。

5歳11月の金鯱賞(G2)で復帰すると長期休養明けながら中団から脚を伸ばして同父カレンミロティックの3着に入ります。返す刀で有馬記念(G1)に出走するとオルフェーヴルゴールドシップの2強ムードながら、オルフェーヴルのまくりについていき、8馬身差をつけられるもののゴールドシップに先着する2着と健闘します。

6歳初戦は日経賞(G2)で有馬記念(G1)同様のまくる競馬で快勝し、3歳の青葉賞以来の重賞制覇となりました。続く天皇賞春(G1)は日経賞(G2)を勝った時の岩田騎手が騎乗停止となり、シュタルケ騎手となりますが、当日落馬負傷となり、代打の代打で武幸四郎騎手を鞍上に迎えます。直線良く追い込むも2連覇となったフェノーメノを捉えられずタイム差なしで2着となります。宝塚記念(G1)7着後に左前脚屈腱炎が再発し、12月まで休養となります。金鯱賞(G2)で復帰しますが15着となり、有馬記念(G1)も12着となります。

7歳は3度目となる日経賞(G2)に3歳弥生賞(G2)以来となる福永騎手で出走し、3回連続の連対となる2着と健闘します。続く天皇賞春(G1)は直線半ばで急に失速し、12着でゴール後に福永騎手が下馬します。左前浅屈腱不全断裂による競走能力喪失と診断され、引退が決まりました。

 

 

血統構成

ハーツクライは現役時代は有馬記念(G1)、ドバイシーマクラシック(G1)を制し、東京優駿(G1)などのG1で2着3回、”キングジョージ”(G1)で3着と国内外のレースで活躍しました。有馬記念は無敗の三冠馬ディープインパクトに初めて土をつけるとともに日本馬として唯一先着したレースとなっています。種牡馬としてはワンアンドオンリーやドウデュースが東京優駿(G1)を制し、アドマイヤラクティジャスタウェイリスグラシューが海外G1を制覇、Yoshidaが日本生産馬初の米ダートG1を制覇するなど産駒が国内外で活躍をしています。

母スーパーバレリーナはカナダで産まれ、日本で競走生活を送りましたが、4戦して未勝利でした。引退後は繁殖牝馬となり、コンスタントに産駒を産み、本馬の他には地方を含め多くの産駒が勝ち星を挙げています。

母の父Storm Birdはカナダで産まれ2歳時にデューハーストS(G1)を制すなど5戦5勝で英愛2歳牡馬チャンピオンに選ばれています。種牡馬入り後は大種牡馬Storm Cat英オークス(G1)のバランシーン、プリークネスS(G1)のサマースコールなどを輩出しました。

 

私の注目ポイント

なぜ私がウインバリアシオンを取り上げたかをご紹介します。

1.ハーツクライ初年度産駒

ハーツクライは個人的にPOG保有していた馬であり、いまだに好きな馬筆頭です。種牡馬入りはディープインパクトと同期になりましたが、ハーツクライも負けずに活躍馬を出してくれると期待しておりました。理由の一つとしては、同配合であるアドマイヤベガが活躍馬を出していたこともあります。(ハーツクライサンデーサイレンス×トニービン×リファール、アドマイヤベガサンデーサイレンス×トニービン×ノーザンダンサー。リファールはノーザンダンサーの子供)

ディープインパクト産駒は早くから活躍し、ダノンバラードラジオNIKKEI杯(G3)を勝ち、年明けて桜花賞(G1)を勝つ中、ハーツクライ産駒は勝ち星こそ挙げるものの青葉賞前までにOPを3勝のみと期待ほどの結果が出ていませんでした。そのような中、本馬がダービートライアルである青葉賞(G2)を6番人気ながら勝利し、ダービーでも2着したことでホッとした記憶があります。

ただ、その年の重賞制覇は本場の青葉賞のみとやや期待を裏切る感じでしたが、年が明けて同世代のギュスターヴクライが逸走があったもののオルフェーヴルを破って阪神大賞典(G2)を制するとやはり現役時代同様に晩成血統なのだろうという評判が付くようになりました。実際に4歳秋に1000万下を突破する馬が多く出てきており、2世代目で初ハーツクライ産駒G1初勝利となったジャスタウェイ天皇賞秋(G1)も4歳の秋になります。

その後は関係者の対応が進んだこともあり、2歳G1や東京優駿(G1)を勝つ馬も出てくるわけですが、当初は晩成の中長距離が主戦場であり、本馬についても古馬になったらもっと強くなると期待していました。残念ながら怪物オルフェーヴルやケガに阻まれてしまい、G1を制することはできませんでしたが、初年度産駒としてG1制覇を願い続けた馬でした。

 

2.オルフェーヴルとの対決

同期の三冠馬オルフェーヴルとは7度対戦し、1勝6敗とほとんど勝つことはできませんでした。G1で3度ワンツーを決めており、この世代としてはこの2頭が中長距離では抜けているのではないかと思っています。

よくあるタラレバで言っても詮無いことではあるのですが、生まれた世代が悪かったのかなと思わざるを得ません。

なお、短距離では史上最強スプリンターの一頭とも言えるロードカナロアや3歳で安田記念(G1)を勝ったリアルインパクトもいるなど印象の強い馬の多い世代になります。

 

3.種牡馬としての期待

引退後は乗馬になるという話がありましたが、最終的には青森で種牡馬となりました。北海道以外はかなり厳しい種牡馬生活とはなりますが、数少ない産駒から初年度産駒から3勝クラスの鈴鹿Sを勝利し、地方移籍後に東京大賞典(G1)にも出走したドスハーツ、2年目産駒からチューリップ賞(G2)にも出走したバリコノユメを輩出するなどCPIを上回るAEIを叩き出しています。血統的にもNorthern Dancerの5×3×5、名牝Almahmoudの5×5を持つなどしっかりした背景もあり、そう甘いものではないことは理解していますが、個人的にはもっとチャンスがあれば自身を超えるような馬が出てくるのではないかと期待しています。

 

 


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