懐かしのマイナー馬たち

懐かしの競走馬たち

あまり取り上げられることのない思い出の競走馬をきままに語ります。

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未完の大器~ニューイングランド

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プロフィール

ニューイングランド

1997年4月4日 牡馬

父  サンデーサイレンス

母  クラウンフォレスト

母父 Chief's Crown

厩舎 白井寿昭(栗)

7戦4勝

主な勝鞍 STV賞(1000万下)、湯川特別(500万下)

 

競走生活

JRA

2歳:1戦1勝 新馬

4歳:6戦3勝 STV賞(1000万下)、湯川特別(500万下)

※年齢は当時は旧年齢ですが、現在の表記に合わせています。

 

2歳12月に阪神芝2000mでデビューし、圧倒的1番人気に応え快勝します。ちなみに2着は後にダイヤモンドS(G3)を勝利し、3歳の春重賞でも連続3着(きさらぎ賞(G3)、毎日杯(G3))したキングザファクトでした。しかし、その後骨折してしまい、4歳の春まで休養となります。

4歳3月に阪神ダ1800mで復帰すると圧倒的1番人気に応え6馬身差で圧勝します。続く京都ダ1800mの900万下、芝に戻って東京芝1600mの富嶽賞(900万下)ともに1.7倍の圧倒的1番人気に推されますが、僅差の2着に敗れます。

そのまま夏の北海道に転戦し、降級初戦の湯川特別(500万下)では後にみなみ北海道S(OP)を勝つイングランドシチー、鳴尾記念(G3)を勝つメジロマントル白毛馬のシラユキヒメを抑えて快勝します。続くSTV杯(1000万下)もレディソーサリスらを抑えて先行策から抜け出し連勝となります。なおここまでの6戦すべて1倍台の圧倒的な1番人気に推されています。

次のレースに選んだのは格上挑戦で函館記念(G3)でした。重賞勝ち馬が5頭出走し、また重賞好走馬も多い中、エアスマップに次ぐ2番人気に推されます。6番手の逃げ先行馬を見る形でレースをするも流れ込むような形になってしまい、勝ったロードプラチナムの7着に敗れます。なお、1-3着が9番人気、14番人気、10番人気と大荒れの結果となりました。

その後は出走することなく、引退となりました。

 

血統構成

サンデーサイレンスは現役時代はケンタッキーダービープリークネスSの2冠を制し、BCクラシックも制しています。引退後は日本で種牡馬入りし、日本の血統図を塗り替えてしまうほどの大種牡馬となります。3冠馬ディープインパクトをはじめ、多数のG1馬、重賞勝ち馬を輩出し、勝利数は現時点で歴代1位となっています。

 

母クラウンフォレストは名種牡馬Woodmanの妹としてアメリカで産まれ、日本で走り8戦1勝の成績を残しています。繁殖入り後は本馬の他には地方で11勝を挙げたマツマエザクラがおり、孫の世代からは共同通信杯(G3)を勝ったハンソデバンドが出ています。

 

母の父Chief's Crownは大種牡馬Danzigの産駒としてアメリカで走りBCジュヴェナイル(G1)を制し、エクリプス賞最優秀2歳牡馬に選出されました。他にトラヴァーズS(G1)などG1を7勝しています。3冠レースも3、2、3着と好走しました。種牡馬入り後は英ダービー(G1)を制したエルハーブBCターフ(G1)のチーフベアハートセントジェームズパレスS(G1)のGrand Lodgeなどを輩出しました。母の父としてもダービー馬ディープスカイ、国内外のG1を6勝したオールラウンダーのアグネスデジタルを輩出しています。

 

私の注目ポイント

なぜ私がニューイングランドを取り上げたかをご紹介します。

1.ケガさえなければと思わせた競走生活

デビュー戦を快勝し、2着に入ったキングザファクトきさらぎ賞(G3)、毎日杯(G3)で連続3着となったことからもクラシックでも主役の1頭として2冠馬エアシャカールやダービー馬アグネスフライトとどのようなレースをしていたのかと想像が膨らみます。

長期休養からの復帰後も脚元を考慮してダート戦を使いつつ、休みなく使って5戦3勝2着2回で準オープンまで上がってきて、現役最後のレースとなった函館記念(G3)で重賞初挑戦まで来ていました。使い詰めであったため、この後一息入れて復帰することが出来ていれば、もしかすると重賞、G1をというチャンスはあったのかもしれません。

 

2.良血を買われて種牡馬入り

競走馬としては大きな活躍はできませんでしたが、名種牡馬Woodmanの甥であり、サンデーサイレンスの仔であるということもあり種牡馬入りしました。近親には13戦全勝でBCディスタフ(G1)も勝利したPersonal Ensign、BCディスタフ(G1)を圧勝したInside Informationなど名牝を輩出したダマスカス系種牡馬Private AccountやWoodmanの兄弟にあたるGadabout、Chromiteがいます。

種付け料も比較的安価ということもあり、2003から2006年は100頭を超す繁殖牝馬を集めました。

 

3.個性派の産駒たち

比較的繫殖牝馬の質が低いとされ、CPI(配合相手の繁殖牝馬の仔の収得賞金の平均に対する比率)は0.67(本日時点)だったこともあり、中央競馬でデビューする産駒は少なかったですが、個性的な産駒を輩出しています。

ラジオNIKKEI賞(G3)を勝ったレオマイスター。雷鳴とどろく中、内田博幸騎手の剛腕で捲ってラジオNIKKEI賞(G3)を勝った時は驚きました。6戦してラジオNIKKEI賞(G3)を含め3勝2着1回と福島巧者であり、重賞を勝ったものの賞金の関係で降級してしまいましたが、同地の阿武隈S(1600万下)で勝ち再度オープンに昇級しています。

珍名馬としても有名だったネコパンチ。晩成型で5歳になり潮来特別(1000万下)を勝ちあがると続く格上挑戦のメトロポリタンS(OP)で2着、やはり格上挑戦となった夏のみなみ北海道S(OP)でメイショウクオリアなどを破りオープン入りします。その後、重賞の壁に阻まれますが、6歳の日経賞(G2)では鞍上に江田照男を迎え、思い切った大逃げをし、167.1倍の12番人気ながら東京優駿(G1)2着のウインバリアシオン、G2を3勝しこの後香港のクイーンエリザベスS(G1)を勝つルーラーシップなどに3馬身半を付けて逃げ切ってしまいます。この実績や名前で注目を集め、宝塚記念にもファン投票17位で選出されました(結果は16着)。

他にも阪神・京都の障害レースに強く重賞3勝したテイエムハリアー阪神スプリングジャンプを人気薄で制したトーワヒヨシマル、福山大賞典や福山王冠など35勝を挙げた福山の雄クラマテングなど活躍馬は多くはありませんが、強烈な印象を残す産駒が多いような気がいたします。

 

 

 


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